採択ビジネスプラン

「患者・医療者架け橋」事業 〜医療を知る連続講座と医療市民マイスターの創設〜





日本の医療現場では今、患者は医療者からの説明不足や余裕のなさに不安や不満を感じている。
一方、医療者側からも患者の理解・勉強不足に不満を感じており、患者・医療者間での大きな隔たりがある。この両者間の隔たりが、互いのコミュニケーション不足を引き起こし、医療者のストレスや職場に対する不満を招いている。過労よりもつらいことは、患者から感謝されなくなったことだという声が聞かれ、耐えきれなくなった医療者が続々と辞めて行く。
患者からしても、教育課程においてほとんど医療を学ぶ機会がないために勉強不足を指摘されても仕方がない面もあり、患者や家族などからの医療に関する誤解や不信から、訴訟問題などに発展するケースも増えている。現在こうした両者間のコミュニケーションを図るための措置として、病院内に相談窓口のようなものが設置されてはいるが、それでは病院側の一方的な考えを押し付けられることになる。
当事業は、そうした問題解決のために、市民が医療について学ぶ講座開設と、市民の側に立って医療側と患者の両者間をつなぐ役割を担う専門家「医療市民マイスター」制度を創設し、その人材養成を行うものである。




  1.     一人でも多くの市民が病院のありかたや救急の判断、地域医療の現状など「医療とは何か」を連続講座で学び医療は市民が支えるものであるという認識を多く持ってもらう必要がある。全国どこでも当たりまえのように受けられるような講座の開催を行う。
  2.     現在病院が設置している相談窓口では、市民側からの不安や不満を相談しにくい。そのため、市民側の立場から患者の不安や不満に耳を傾け、医療者との間をつなぐ専門家としての役割を担う「医療市民マイスター」といった制度を創設し、その人材養成をおこなう。     「医療市民マイスター」制度が実施されれば、中規模以上の病院であれば、1病院当たり最低2~3人は必要で、同規模の病院は全国に9,000個所あるといわれている。


当企業プランの起案者である阿真京子(あまきょうこ)さんは、「知ろう!小児医療 守ろう!こども達」の会代表として、平成19年から乳幼児を持つ両親を対象に、小児科医から医療の基礎を直接学ぶ講座を開催し、市民と医療者を結ぶ活動を続けている。現在、北海道から山口県まで100人いる会員と30人の小児科協力医師とともに活動を全国的に展開している。厚生労働省の「看護教育の内容と方法に関する検討会」委員、東京都の「東京都小児医療協議会」委員など、多くの国や都の医療や福祉関係の委員会の委員を務め、親の立場で小児医療・周産期医療に対する意見を述べている。
そうした活動を通して医療者からの思いを聞き、医療者と患者間に横たわっている大きな溝を埋めるためには、現在行っている単発の講座だけでは足りず、対象も小児科だけではなく医療全科にわたる必要がある、という認識を持ち、医療を知る連続講座の開催、「医療市民マイスター」の創設が不可欠であるという思いに至った。
iSB公共未来塾でインターンシップに行った病院では、医療従事者から、当事業の役割が求められていることを強く感じることができた。ヒアリングさせてもらった患者からも早く創設してほしいという声を聞いた。「知ろう!小児医療 守ろう!こども達」で活動に協力していただいている先生方からも、病院でぜひやってくださいという声が上がっており、済生会栗橋病院、国立成育医療センター、神奈川こども病院では、カリキュラム作成や試験的なものにも協力してもらえる話になっている。
課題は「医療市民マイスター」の収入や雇用問題である。病院側に雇用されてしまうと、もともとこの制度が「病院には言いにくい」ことも相談内容にしているため、制度の主旨に適わない。このため、行政や企業など、病院以外から給料をもらう方法を考えざるを得ず、その仕組みづくりを模索していきたいとしている。



  1.     提供価値:市民は、医療従事者からの説明不足や不安や不満を解消できる。医療機関は、医療従事者と患者とのコミュニケーションの改善、満足度の向上、退職率の低下が実現できる。
  2.     量:連続講座数、および、「医療市民マイスター」の養成人数。
  3.     持続性:「医療市民マイスター」の中立性を確保しつつ、給与を誰が負担するのかがポイント。
  4.     影響力:連続講座や「医療市民マイスター制度」の提供により、市民と医療従事者との隔たりが少なくなることにより、その役割が認識され、普及が見込まれる。

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