採択ビジネスプラン

食物アレルギー対応事業





食物の摂取により生体に障害を引き起こす反応のうち、食物抗原(アレルゲン)に対する免疫学的反応によるものを「食物アレルギー」と呼ぶ。小児の慢性疾患としての食物アレルギーは近年増加の傾向にあり、アレルゲンを除去した特別メニューを提供する給食センターなども増えているが、給食センターを活用するにしろ、親がアレルゲンを含まないお弁当を作るにしろ、子どもたちは「皆と同じものが食べられない」という悩みを抱える。中でも、子どもにとっては美味しいものの代表である「ケーキ」は、上位3位までのアレルゲンである卵・乳製品・小麦をすべて含むため、アレルギーを持つ子どもは自分の誕生日をケーキなしで祝ったり、友だちの誕生パーティに招いてもらえなかったりと、精神的苦痛を感じながら成長することになる。また、子どもたちにケーキを食べさせることができない親たちにも精神的負荷がかかる。



食物アレルギーを持つ子どもが、他の子どもたちと同じように“食”を楽しみ、“食”を通じた交流を持つことができるように、上野さんは食物アレルギー対応のケーキ等を開発し、販売する事業モデルを構築した。

上野さんのケーキは、食物アレルゲン第1位の卵は使わず、第2位の乳製品の代わりにココナツミルク、豆乳ホイップクリーム、グレープシードオイルを用い、第3位の小麦粉の代わりにアーモンドパウダーまたは米粉を用いている。また、精製された白砂糖の代わりに甜菜糖を、ペーキングパウダーの代わりにノンアルミニウムベーキングパウダーを使っており、アレルゲンを含まないだけではなく広く健康に配慮した安全性の高い製品となっている。

食物アレルゲンを排除した「アレルギー対応ケーキ」は、上野さんが開発した製品が日本初・世界初というわけではない。しかし従来のものは単にアレルゲンの排除だけを目的に開発されており、おいしさや見た目の美しさへの配慮はなされていなかった。上野さんのケーキはアレルゲンを除去することはもちろんのこと、味のバランスを確保することによっておいしいケーキを作ることに成功した。さらに、アレルゲンを含まないクリームの開発によってデコレーションも可能となり、アレルギー患者のいる家庭や教室などで、アレルギー患者もアレルギー患者でない方も同じケーキを食べてお祝いすることができるようになった。

上野さんは、白玉粉・味噌・酢を原料とするチーズの代替物を使った「アレルギー対応ピザ」や、アーモンドアレルギーのある人でも食べられる「米粉のケーキ」なども新規開発している。今後は、ニーズの大きいマルチアレルギー対応商品をはじめ、アレルギー対応の惣菜、アレルギー対応パンなどを開発し、さらには非常食として転用可能なレトルトや缶詰も販売していく予定だ。




短大の食物栄養科で栄養学について学び、栄養士・管理栄養士、訪問介護ヘルパー、そして料理講師として勤めた経験のある上野さん。自身が食物アレルギーのあるお子さん(次男)を持ち、そのお友だちのお母さんから「お宅の子どもさんが遊びに来るとお菓子も出せない」と言われて涙した経験や、アレルギーを持たない長男が、もらったお菓子を次男にわからないようにお風呂場に隠れて食べたりする姿に心を痛めた経験を持つ。

だからこそ、食物アレルギーによって親子の笑顔が失われないよう、見た目も美しく、食べてもおいしい「アレルギー対応ケーキ」を普及させ、食物アレルギーを持つ人々が、普通の人と同じように“食”を楽しみ、“食”で幸せになれるよう貢献したいと考えるようになった。「栄養士としての知識と経験を持つ自分でさえ苦労してきたのだから、世の中には困っている人がもっと大勢いるはず。その多くの人に貢献したい。」と語る上野さんは、将来的にはアレルギーのある子どもを持つ親たちに雇用を提供する事業も行っていきたいと考えている。

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